今頃、予定通りなら、大学の牛舎で作業をしている時間帯。
羽田空港で、今夜のフライトを待つ時間をつぶしています。
なぜなら、昨夜の台風で、予定していた便が欠航になったためです。
昨日は、虫の知らせで、何げなく空港に向かう途中の品川駅でANAアプリを起動しました。
そのおかげで、空港に着く前に欠航を知ることができました。
急ぎ振り替え便の手配を電話で済ませ、宿の手配も、その場で行いました。
旅先では、トラブルに遭っても自力で切り抜けねばならないので、強い体力が求められます。
それと同時に、虫の知らせのような、何げない直感も大切だということを痛感しました。羽田に着いて初めて欠航を知ったらと思うと、ゲンナリします。。。
昨日の私が、東京へ出張した理由は、本学への進学を考えている高校生対象にミニセミナーをおこなったからです。
私は、ルーメンの科学、乳房の構造やミルクが作られる仕組み、酪農のロマン、などを語りました。
もう一人の講師は、食と健康学類のS先生でした。
S先生は、管理栄養士の養成コースで教鞭を執っています。
セミナーは、採食の行動学と、タンパク質栄養についてでした。
前段の、行動学を意識した食のコントールについては、私も初めて耳にする、興味深い講義でした。
私もそうですが、中年になると基礎代謝が落ちるにもかかわらず、どうしても食べ過ぎてしまい、カロリーオーバーになりがちです。
そこで、ストレスなく食事をコントロールするためにはどうすれば良いのでしょうか?
やみくもに我慢するというのは、策がなさ過ぎるということがわかりました。
ガマン、この3文字、日本人は大好きですが、遂行するためには強い精神力が求められます。仮に、ガマンが成功したとしても、その結果、ストレスも感じてしまいます。
S先生曰く、食事制限には、行動学的に対処することが大切とのことです。
具体的には、食べたいと感じるものを遠ざけることです。
たとえば次のようなパターンはありがちではないでしょうか?
通勤途中にコンビニがある
↓
深い理由もなく入ってしまう
↓
おいしそうなスイーツが陳列されている
↓
「せっかく入ったんだし、買ってみようかな」
↓
買うつもりでなかったのに、買ってしまう(店側の戦略で買わされてしまう?)
↓
食べてみると、おいしい!
↓
また、買おう
↓
振り出しに戻る
といったような、何げない連鎖です。
ここで、行動学的に大事なことは、「コンビニがあっても入らない」ということです。
あるいは、コンビニのある通りとは別の道を行くとか。
さらにこんなケースもありがちです。
私の場合、早い時間に晩ご飯を食べたのに、夜遅い時間にグルメ番組を観てしまうと、急に空腹を感じることがあります。
このとき・・・
自分も何か食べたいなあ
↓
そういえば、買い置きのカップラーメンがあったな~
↓
お湯を沸かして、食べてしまう。
↓
買い置きしておいて良かった!
↓
スーパーに出かけたときに、カップラーメンを買い物カゴに入れてしまう
ここには、行動学的ポイントが、二つ隠されています。
一つは、夜にグルメ番組を観てはいけないということです。
晩ご飯をしっかり食べていれば、本当は空腹ではないのです。
ただ、映像を見て、脳が刺激されて、錯覚を感じているだけなのです。
脳はだまされやすいようです。
もう一つは、買い置きしておいては、ダメということです。
なければ、食べることもできません。
先生曰く、3分ガマンすれば、食に対する欲求はかなり低減されるそうです。
ということで、空腹を感じたら、歯を磨くとか、茶わん洗いをするなど、別の行動で置換すると良いそうです。
そうすることで、偽りの空腹であれば、消え去ってしまうそうです。
ジャンクフードを買い置きしない代わりに、冷蔵庫には常に野菜を入れておくのも、効果的とのことでした。
摂取した方が良いのに不足しがちな、食材を入れておくことで、食を促すことができます。
食べなければいけないものは、切らさないようにする。
これも大事なポイントです。
私は、家畜の採食行動については、学んできました。
家畜生産のためには、食べてもらう必要があるので、いかに食べさせるかということを主観に置きます。
あの手、この手がありますが、子供に苦手なものを食べさせるには、食べてくれたときに褒めてあげるのが良いとのことでした。
ヒトの採食行動は、心理学とも関連した、興味深いサイエンスであることがわかりました。
同じ大学にいても、他の教員がどのような講義をしているかを知る機会はほとんどありません。
今回は受講生もさることながら、私も大いに学びがありました。
それにしても、東京は暑かった~
北国育ちのオジサンには厳しかったです(^^;)