乳牛と酪農を科学する

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共同親権の報道に思う:我が子と離れて暮らす非親権親の苦しみ

日本では、離婚をするとどちらかの親が子の親権を取り(多くの場合、母親が望めばそちらに親権が行ってしまいます)、親権を取った親は自動的に子を養育します。

 

今日は農場HACCP審査員の研修で東京に来ています。
その機中で読んだ北海道新聞の社説に「共同親権 子どもの利益最優先で」という記事が掲載されていました。

 

結論を言うと、深掘りされていない、当事者から観ると、毒にも薬にもならない記事でした。
ま、実際に非親権親になっていない方からすると、聞き心地のよい通り一遍の書き方になるのも致し方ありませんが。

 

子の福祉という観点からいえば、非親権親との面会交流は絶対不可欠というのが、私の考えです。

 

こういった記事で必ず出てくるのが、DV親(言外に父親という先入観あり)からの引き離しが必要だ、だから非親権(父)親への面会には慎重にならざるを得ない、といったストーリーが展開されます(今回の社説でも)。

 

それでは、DVを行っていたのが母親(妻)だった場合はどうなるのでしょうか?

調停現場では(特に地方に行けばいくほど)、「子の親権は母親」という固定観念が強いです。DVは父親がするもの、といった固定観念も。。。

 

逆のケース(妻→夫、母→子のDV)は、このような古い固定観念には存在しないことになっているので、古いおじいちゃん、おばあちゃん調停員は残念ながら付いて来れません。

 

この辺の時代錯誤な認識に、涙を飲んでいる父親が星の数ほど存在します。

つい最近知り合った仕事を介した知人も、この1年ほど子に逢えていないと訴えていました。

 

もう一つ。

「不払い養育費の回収の支援」と、これまたステレオタイプの文言がありました。

養育費をきちんと払っている私に言わせれば、もう少し養育費を払いやすい環境を整備してよ、と泣き言を言いたくなります。

養育費を払う親にとって、離れて住む親権のない我が子は扶養家族にはなりません。
ということは、扶養手当もなく、扶養控除もないことを意味します。


養育費は、ただ現金で出ていく出費扱いです。

 

一方、養育費を受け取る親権者は、これまた現金で受け取る収入なので確定申告の必要はありません。仮に高額の養育費を受け取ったとしても、確定申告不要の現金収入なので、見かけ上は低収入になり、ひとり親に対する様々な公的支援を満度に受けとることができます。

 

愛する我が子のためと思いながら支払う養育費が、憎たらしい元配偶者の遊び金になっているかも??と考えると、やりきれない思いになる非親権親も少なくないでしょう。ましてや面会交流を認めてもらえなければ、養育費を払っているのに逢わせてくれないってどういうことなの??という憤慨を感じます。

 

非親権者(養育費を払う側)が再婚していなければ、養育費は控除されないので、独り者として高額の税金がかけられます。

 

さらに悲惨なのが、非親権者が再婚して扶養家族が増えた場合です。

この場合、家裁で調停を起こせば、養育費の減額請求ができますが、2度と顔を見たくないくらい憎んでいる元配偶者と調停をするくらいなら、出費は痛いけどガマンしようと思う人が多いのではないでしょうか。
「子が成人するまで後○○年」と指折り数える日々でしょう。

我が家の愛する奥さんのように心の広いヒトなら良いですが、再婚相手に養育費のことでぐちぐち言われるケースもあるでしょう。

 

このように非親権者にとっては、離れて暮らす我が子のために養育費を払いたくても、払いにくい現状があります。

このような状況を整備・改善しない限り、養育費の不払いはなくならないでしょう(払いたくても払えない)。

 

非親権者にとって、めんどくさいことは他にもいろいろとあります。
またの機会に。。。