フランス地中海沿岸には、地理的にお隣のスペインから続く闘牛文化があります。
古代ローマ時代の遺跡で牛と闘う、あの闘牛です。
10年ほど前に、国際学会がフランス中部のクレルモンフェランで開催されたので、その帰りにアルルという地中海沿岸の街まで闘牛と闘牛に供されるカマルグ牛を観に行ってきました。
カマルグというのは、遠浅の干潟で塩がとれるところです。
乾燥した地域なので、オリーブが採れ、水が足りないからあ山羊が飼われていて山羊乳チーズとロゼワインが名産です。
干拓には、闘牛に使われる肉牛カマルグ牛が放牧されています。
今週、岡崎、富士宮と東海地方に出張があったので、移動中にアルルとすぐ近くのアビニヨンという街を舞台にした「プロヴァンスの休日」という映画を観ました。
主人公はアル中の偏屈じいさん。
父(じいさん)と娘が葛藤を抱えており、断絶状態。
娘の息子や娘、すなわち父(じいさん)から観たら孫もじいさんを嫌っており、いがみ合いが前半は繰り広げられます。
そこに、孫の初恋とそれによるトラブルが入ってきます。
僕の娘と同じくらいの年の孫娘。
じいさんが、彼氏といちゃつく孫娘にイライラし、そのじいさんに孫娘が腹を立てる。
僕はじいさんに痛いほど共感できました。
祖父は、若い頃はヒッピーで超カッコ良かった。
旧友のじいさん、ばあさんが、祖父を訪ねてやってきますが、これがまた超カッコいい。
フランス人は見た目もおしゃれだけど、生き方がカッコいい。
そして、映画の後半。
やっぱり家族の愛は、谷よりも深し。
南仏プロヴァンス、カマルグの美しい風景とともに、家族の愛が描かれている小さな良作品でした。
とにかく、僕にとってはなつかしかったです。
カマルグを訪れたのは、娘との離別のあった時期だけに、塩田で観た塩の結晶のようにしょっぱい記憶が蘇りました。
2歳だった娘も、今は準主役の孫娘と同じくらいの年頃。
美しい娘に育ちました。
時は流れ、今年も暮れていきます。
↓湿原のカマルグにはフラミンゴが舞い、観光客は白馬でトレッキングをしていました
↓立派な角を生やした闘牛カマルグ牛