毎日恒例となったコロナ報道。
報道をみていると、コロナ対策に関して、各国の状況がレポートされています。
なかでも、韓国や台湾の対応の素早さや徹底的な対策が高評価されているように見受けられます。
当初、韓国の大量のコロナ感染者数の増加を冷ややかにみている風潮が世の中にはあったかもしれません。
ですが、結果的に、韓国も台湾も日本よりもはるかに早くコロナ感染爆発のピークを過ぎました。
すべてが落ち着いて振り返ったとき、両国のコロナ感染爆発に関する対応は(台湾は当初から賞賛されていましたが)、わが国よりも優れていたという結果になるかもしれません。
さて、なぜ、お隣の両国は、日本にはできない素早い対策を打つことができたのでしょうか。
ここから先は、なんの根拠もない一畜産学者の僕が勝手に考えた推論です。
畜産業界的にみると、両国は、やっかいな畜産伝染病が頻発する地域です。
例えば、牛や豚にとって恐怖の口蹄疫は韓国では毎年のように発生しています。
2018年 2例
2019年 3例
※日本では、2011年にワクチン非接種口蹄疫清浄国として認定されています。
日本でも時折ニュース報道される、鳥インフルエンザは台湾では毎年国内各地で発生しています。その数はハンパなくて、2018年以降の合計件数で、259件の発生です。
※日本は、2018年4月16日にOIEの規定に基づき清浄化
(出典はいずれも農水省HPより)
両国での、家畜法定伝染病の発生が多いのは、伝染病予防(防疫)に対する意識が劣っているのではなく、地理的・気象的な条件も大きいと、僕は思っています。
両国では、やっかいな家畜伝染病が繰り返されているので、対処法はルーチン化されていることと思います。
ひとたび伝染病が発生したときに、それを国内に蔓延させないためのノウハウが大量に蓄積されているに違いありません。
家畜の伝染病が発生すると、検問が作られて、畜産物だけでなく人の往来も制限されます。
発生牧場では、防護服を着た人たちがマスクをして消毒作業に従事します。
これらは、現在コロナ対策でおこなわれていることに通じます。
家畜の伝染病も、人の伝染病も、洗浄・消毒が基本なのは同じだからです。
トラブルや失敗を多く経験することで成長することは、人生でもビジネスでも明らかです。
家畜の世界ですが、やっかいな伝染病を数多く経験していたことも、両国のコロナ対策が迅速だったことに少なからず関係していると、僕は想像しています。