今年、新規の取り組みとして、子牛のスターターに関する研究を行っています。
スターターとは、ヒトの離乳食にあたるものです。
離乳食といっても、ドロドロの流動食ではなく、ペレットタイプの配合飼料になります。
子牛は産まれてからしばらくはミルクのみで育ちます。
ですが、生後1週間を過ぎると、少しずつ固形飼料を食べ始めます。
子牛用の固形飼料には牧草とスターターがあります。
牧草は、一般には乾草が用いられます。
乾草とスターターを少しずつ食べ始める子牛。
一般に、哺乳期間は1~2ヵ月程度なので、離乳時期に向けて固形飼料だけで栄養を摂取できるように、上手に切り替えていかなくてはいけません。
ここは、子牛を管理するヒトの腕の見せ所になります。
さて、現代の酪農においても、子牛のミルクから固形飼料への切替えについては議論が尽きていません。
・離乳の時期
・乾草とスターターの給与比率や給与量
・スターターの栄養濃度
などなど
これらの組合せは多数あるので、どれがベストな飼い方なのかが科学的には証明されていません。
牧場や栄養管理者によって考え方は様々です。
ヒトの離乳や離乳食についても、指南書は多数出ていますが、その通りに行かないケースは多いでしょう。
我が家の子供たちは固形食への移行は順調で、結構てきとうに取り組みましたが、お悩みの方も少なくないでしょう。
今回の試験は、獣医学類のF講師と共同で、スターターにスポットライトを当てた研究になります。
今は、子牛の頭数も少ないですが、これから母牛の分娩に伴い頭数が増えていく予定です。
僕は子牛の研究は、それほど経験はありません。
本格的な子牛の世話は、二十数年前に牧場で働いていたとき以来です。
久しぶりの子牛の世話、メンコイものです。
一方で、下痢や咳など、子牛はすぐに体調が悪くなります。
子牛の健康管理には細心の注意が必要なので、神経を使います。
この試験は冬まで続く長丁場ですが、学生たちはローテーションを組んで毎日一生懸命に取り組んでいます。
我々教員サイドも、気の抜けない日々が続きます。