乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

子牛を離乳させるときのポイントとは?

我が家に今夏やってきた3種目のペット、ヤドカリ君。


亀、金魚に続いての家族の一員でとってもメンコイ奴らです。
このヤドカリ、夏場に近所のホームセンターで無料で配られていました。

 

彼らのエサは鰹粉末のまぶされたポップコーンです。
我が家のヤドカリはかなりの偏食でポップコーンしか食べません。

その在庫が切れたので、ポップコーンの入手先である近所のホームセンターに買い出しに出かけました。
そこで驚いたことが。。。

 

これまで売っていたヤドカリのエサが売ってない!!
店員さんに聴いたところ、冬になったので模様替えをして売り場を縮小したとのことです。店員さんにクレームを言うのは気の毒ですし、店の経営方針ですから黙って引き下がりました。ただ、生き物であるヤドカリを配布し、そのエサで商売をしてきたのであれば、最後まで責任を持って欲しかったです。

 

さて、今期4冊目の原稿が出版され手元に届きました。

業界大手の「デーリィマン」の12月号です。
今回は子牛の離乳時期の栄養管理についてです。

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詳細は本誌を手にとっていただくとして、今回は子牛の飼養管理に関するアメリカの最新の文献を当たりました。酪農先進国、アメリカの“今の技術”を知っていただくことができると思います。

 

哺乳子牛の栄養管理は、ヒトの赤ちゃんに共通するところもあります。

しかし、人とは大きく異なるポイントがあります。それは、子牛自体の発育に加え、第一胃(ルーメン)の発達も考えなくてはいけないということです。

 

子牛か第一胃、どちらかのみを考えるのであればシンプルな飼い方でよく、さほど難しい技術は必要ありません。しかし、両方を最適化しようとすると、なかなかに一筋縄でいかなくなります。

 

子牛の発育を最大化するにはミルクを大量に飲ませればOKです。
第一胃の発育を最大化するには、牧草を多めに食べさせればOKです。
ミルクと牧草は栄養価や飼料としての特質が全く異なります。

したがって、子牛と第一胃、両方をバランス良く発育させるためには特質の全く異なるエサを上手に給与しなくてはいけません。

 

今回の原稿では、そのポイントについてまとめました。
紙面の都合で、入手した膨大な情報を全て紹介することはできませんでした。ですが、贅肉を可能な限りそぎ落としたので、本文は濃縮された文章に仕上がりました。

子牛の管理でお悩みの酪農生産者や現在勉強中の学生や若手技術者の方に読んでいただければありがたいです。

興味をお持ちいただけた方はぜひご覧ください。