乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

事務方力を磨く

10月、11月と本州の酪農場で現地検討会(バーンミーティング)をする機会が連続してありました。

 

バーンミーティングとは、単純な視察とは異なり、酪農場の経営や生産のデータを用意いただき、それを頭に入れた上で現地を訪問し、課題抽出と対策提示をするものになります。

 

コーディネートするヒトは、農場と顔見知りなだけでは不十分で、データを提供してもらえるだけの信頼関係を築いていなければいけません。

 

参集する人数が多くなると、それだけ顔が広くなければいけず、そこに付随する調整力(日程や場所、段取りなど)が求められます。

 

今回、僕が訪問した地域は、千葉県と中国地方ですが、それぞれの場所でコーディネートいただいた方々の能力がずば抜けていました(ノーサイ獣医師、民間企業、酪農関連団体など、業種は様々でした)。

 

おかげさまで、気持ちよくバーンミーティングに臨むことができ、場を提供してくれた農場主にとっても実りのある時間になったことと思います。

 

僕の酪農の師匠であるM翁は、これからの時代、関係機関を繋いだり、企画を実現するための事務方力(じむかたりょく)を磨かなくてはいけない、とおっしゃります。

その言葉を借りますと、今回のコーディネーターのみなさんに共通するのは、優れた事務方力を持ち合わせているということでした。

 

その中の一人に、ルミノロジー研究室卒業生のOさんがいました。


社会人2年目にして、県の酪農協職員を束ねて、会場や昼食の手配をして、学習会を企画してくれました。

直接農場を訪問する時間がとれないので、農場のデータや写真を用意してくれており、臨場感の満ちた議論となりました。

 

卒業してわずか2年しかたっていないOさんが、ここまで成長してくれていたことに感激しました。

 

都府県は、北海道と違って、その地域に位置する酪農家の戸数が少ないことが多いです。

少しでも離農家数を減らさないように、酪農の面白さや魅力を伝える活動を続けていきたいものです。

そのためにも、関係機関は(僕も含めて)、事務方力を磨いていかねばいけません。

 

↓千葉県では、飼料用トウモロコシとソルゴーの混播が行われていました。トウモロコシ収穫後に、再生したソルゴーを再度収穫します。獣害がひどいところではソルゴーは有効かもしれません。