乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

ミャンマーという国

おばんです。

ミャンマーと聞いて・・

スラスラといくつも関連するキーワードをあげられる人は、かなりのミャンマー通と言ってもよいのではないでしょうか。

少なくとも私はつい昨年の春まで、ミャンマーと聞いて「元ビルマといっていた国ね」「スーチーさんでしょ」くらいの認識でした。恥ずかしいですが、正直このようなものでした。

 

このような私ですが、昨年の6月からミャンマーからの留学生を研究室で受け入れることになってから、どんどん認識が深まり、かの国に対する認識も変わってきました。

 

留学生のMさん

私の研究室にやってきたミャンマーからの留学生はMさんといって、あちらの獣医畜産大学の若手教員です。専門は獣医学と乳牛栄養学です。

 

彼、ものすごくまじめで、そしてストイックに研究に没頭し、きわめて能力が高いのです。英語はペラペラで、自分から未知の実験手法を調べてきて取り組んだり、終わったばかりの実験結果を用いてすぐさま論文にまとめています。

国には生まれて数か月しかたっていないメンコイ娘さんを奥さんに託して、日本にやってきて、一人で研究生活を送っています。

とにかく勉強熱心の頑張り屋です。

 

彼が特別熱心で優秀だからなのかなと思っていましたが、つい先日NHK-BSでミャンマーヤンゴン街歩き番組を見て、ミャンマーの国民は皆たくましく、勤勉だということが伝わってきました。

 

番組では、ヤンゴンの美しい街並みや、おいしそうな料理の数々が取り上げられました。ですが、最も私の胸に響いたのは貧しさゆえに中学を退学して水を売り歩いている13歳と14歳のいとこの男子の場面でした。目覚ましい経済発展を遂げているとはいえ、つい最近まで軍事政権だったミャンマーでは、まだまだこういった人々が珍しくないのでしょう。

ちょうど、我が家の中1の息子も一緒に番組を見ていたので、何かを感じ取ってくれたかな。

 

Mさんも貧しい農家に生まれたと語っていました。そこから頑張って、海外に留学できるまでなるにはものすごい努力をしたはずです。毎晩カップラーメンを食べながら頑張る彼の姿を毎日見ていると、私もだらけていられないなと身が引き締まります。

 

そんなMさんも2月いっぱいで帰国します。

彼が執筆している論文が受理されるように私も精いっぱいサポートするつもりです。論文の別刷りができるころ、それを届けにミャンマーを訪れたいです。

 

Mさん、残り期間も短くなってきましたが、一緒に頑張りましょう。