先日、タイのバンコクでミャンマー人の友人ミンさんと会ってきました。
彼はミャンマー獣医科大学の准教授をしていますが、現在はタイに滞在中で、今を逃すといつ逢えるかわからないということでの対面でした。
お互いの研究についての情報交換をしました。
特に興味深かったのは、彼や奥さまが中国留学で実施した稲わらサイレージの給与試験です。
留学先は中国の南京大学です。
稲わらのサイレージ化は、とても古い題材ではあるのですが、最新の分析手法を用いて、一流学会誌に投稿できるハイレベルな研究になっていました。
巨大な稲わらスタックサイロの写真も見せてもらいました(スケールが違う!)。
ルーメンの菌叢や稲わらサイレージを摂取した山羊のルーメンの遺伝子発現など、これでもかという最新技術を駆使することによって、アルファルファ乾草とひけをとらない良い飼料であることが解明された、という研究成果です。
中国の研究者の勢いは、僕たちの畜産、酪農の研究分野では、とどまるところを知りません。一流の畜産・酪農関係の学会誌には、必ずと言っていいほど中国人グループの論文が毎号掲載されます。
その背景には、日本の地方大学など足もとにも及ばない技術力があるようでした(南京大学は、日本でいう旧帝国大学のようなレベルらしいです)。
ミンさんから聞いた話しでは、中国の大学では学内に入るにも顔認証システムが導入されていたり、高額な実験機器がずらっとそろっているそうです。
優秀な大学院生も大勢いて、彼らが学位を取るには一流の学会誌に論文が数本受理される必要があるそうです。
日本では見向きもされない稲わらを用いて、あの手この手でデータを得て、海外の一流学会誌に投稿しようとする姿勢、ガッツは見習わなければいけないと感じました。
ミャンマー人も、国外に出て必死に業績を上げ、また収入を得ようと努力しています。
アジアの友人から刺激をもらった旅でした。
ミャンマーの日本では報じられていない情勢については、項を改めてご紹介します。
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