今年度2冊目の、僕が監修をした酪農技術書が出版されました。
本書は、飼料栽培や収穫、飼料設計の考え方、乳牛の生育ステージごとの栄養管理のポイント、飼育環境、機械や経営面の注意点など、「飼料設計と給与法」に関する幅広い分野を網羅した教科書になりました。
本書の執筆陣は、僕のそれほど広くない人脈では到底カバーできるメンバーではなく、多くの先輩、知人、関係者に力を拝借することで完成しました。
編集部から企画を持ち込まれたときには、長い間、自分が関心を持ってきた内容だったことから二つ返事で受けました(詳しくは前書きをご覧ください)。
ですが、実際に目次立てをし、執筆陣を依頼する段では、頭をひねり、悩みました。
何人もの先輩から助言を仰ぎ、何とか形にすることができました。
この、ゼロからの出発で、企画を確定するまでが前半の山場でした。
後半の山場は、締切に負われながらの、原稿の校正(筆入れ)でした。
そもそも、監修という仕事は、企画、目次立て、執筆者の依頼、原稿の校正、自分でも執筆といったところになります。
原稿の校正は、締切に負われながら、筆を入れていきます。
ゲラが届いたら数日で、3~4人分を編集部に戻さなくてはいけません。
期間が夏休み中だったことは幸いでしたが、牛舎での卒論研究と同時進行だったので、かなり大変な作業でした。
原稿に筆を入れるためには、流し読みではなく、時間をかけた精読が求められます。
集中して読み込むので、頭が疲れます。
ですが、その甲斐もあって、誰よりも早く原稿を読むことができて、とても勉強になりました。
こんな産みの苦しみを経て、一冊の本が世に出ました。
本書では最新の情報や、現場で長年経験を積んだものでないと語れないポイントが随所に書かれています。(理論優先の学者と現場で活躍する技術者のバランスは意識しました)
これから、あるいは現在、酪農のエサに関係している方にとっては、多くの学びを得ることができる一冊と言えるでしょう。