乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

バーチャル国際学会とYouTube字幕機能の相性は最強

昨年のちょうど今頃、僕はカナダの酪農国際学会に参加するため、日本を旅立つ予定でした。

ですが、出発の数週間前になって、大学からコロナに関連して海外渡航禁止の通達が出されました。

その3月はカナダの他に、京都大学で日本畜産学会大会が予定されていましたが、そちらもキャンセル。

旅行代理店に連絡したりと、てんやわんやでしたが、現地カナダでもコロナ危機で緊迫し、学会自体が途中で中止となってしまったそうです。行かないで良かったことになります。

 

その時の僕は、それが長い長い(1年たっても明けない)コロナとの付き合いの始まりだとは思ってもみませんでした。

 

さて、昨年参加予定だったカナダの酪農学会ですが、今年はバーチャル大会となりました。
50カナダドル(約5000円)を払うと、全ての講演と学会発表を、オンライン(YouTube)で視聴できるというものです。
この手の酪農系のバーチャルセミナーは多々ありますが、これまでは時差の関係で参加は控えていました。
たとえば、今回の学会は現地時間の10時スタートですが、日本時間だと深夜2時開始といった具合だからです。

ところが、学会HPをみると、録画動画はいつでも見れるということでしたので、それならと参加を決断しました。

 

いざ発表動画を見て、バーチャルセミナーの良さをものすごく実感しています。

 

僕は英語が不得意です。

現地でプレゼンテーションを聴いていても、100%理解するのは不可能で、7~8割方理解できている程度かもしれません。

それでも、最先端の研究のエッセンスを持ち帰ることは、自分の研究を進める上で大きなヒントになるのは確実なので、時間を見つけては参加を続けてきました。

一方で、オンライン動画だと繰り返しみることができます。

聞き漏らしたところは、巻き戻したり、一時停止してじっくり見れるのです。

さらに驚いたのが、YouTube動画限定の機能だと思いますが、字幕(英語ですが)が表示されることです。


YouTube初心者の自分としては、これを発見したときは衝撃でした。

僕はリスニングは苦手ですが、会話文くらいの英語なら、ある程度スラスラと読むことができます。

字幕併記だと、プレゼンテーションをほぼ100%理解可能になりました。

 

これはデカいです。

5000円の参加費で、北米の最新情報のプレゼンテーションを、字幕付きで観ることができる。

 

学会は今日で3日目ですが、今は、毎日更新されるセッションが楽しみです。

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