数年前に、同僚のすすめもあって酪農教育ファームのファシリテーターという資格を取りました。
子供たちや市民に対して、酪農場とはどんなところなのか、乳牛はどのようにしてミルクを与えてくれるのか、酪農家の仕事内容は?、といったことを伝えるのが、酪農教育ファシリテーターの役割です。
(そういった体験実習の場を提供するのは酪農教育ファームになります)
大学農場は、教育、研究の場ですが、もう一つの役割として普及や地域貢献といった学外者に対するミッションもあります。
同僚とそんな話しをする中で、学生実習や子供たちを受け入れる際の実習のヒントをもらえるのではないかという薦めもあって、ファシリテーターを取ってみようと思い立ちました。
今回の研修は十勝忠類の牧場で行われました。
会場となったYさんの牧場は、新規で酪農教育ファームの認証を取得したばかりの、新築間もないピカピカのフリーストール牛舎でした。
まだ、体験実習を受入をしたことがないということで、参加者一同でどのように受け入れれば良いのかといったプログラムを考えました。
ずばり「明日、体験実習を受け入れるようになってもできるようなプログラムを考える」といったお題です。
想定は、帯広市内の小学3年生30人をバスで受け入れるという内容でした。
帯広からは1時間くらいかかるよね、給食までには体験を終えて間に合うように送り出さないといけないよね、搾乳と哺乳体験は外せないね、といったアイデアがいくつも出されました。
手洗いはどうするか、搾乳体験はどこでするか、哺乳体験では代用乳を飲ませるのか電解液を飲ませるのか、動線は?、雨天時は?といったチェックポイントについても、一つずつクリアしていきました。
参加者は、酪農教育ファーム活動を10年以上続けているベテラン牧場のオーナーやスタッフ、僕のような教育関係者、農業団体や民間企業、などさながら異業種交流会でした。
帯畜大のS先生からは、以前酪農大農場で働いていたスタッフが近所で新規就農したという、嬉しい話しも聴くことができました。
酪農大の卒業生も立派に就農して、研修に参加していたりと楽しい出会いもありました。
僕は長年学生の農場実習をしていますが、マンネリ化していたなあという気づきをもらえました。
まだまだ学生に新たな学びを与えられる工夫ができると思いました。
9月下旬から後学期が始まり、卒論研究やフィールドセンター長業務など時間を捻出できず疲れ気味でしたが、半ば強引に1泊2日で時間を取って研修に参加して良かったです。
時間を作ると、良いことがあります。
↓見学の受入には足裏消毒(防疫)も欠かせません