乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

台湾で考えました

僕には台湾人の親友がいます。

 

彼は本学で博士号を取得し、本国に戻って酪農の飼料会社に勤めています。

今では、台湾の配合飼料生産量のおよそ半分を生産する大企業の重役にまでなっています。

 

年明けに、彼に案内してもらって、酪農を含めて台湾の経済状況を総合的に案内してもらってきました。

 

まずは台湾の酪農情勢ですが:

配合飼料の価格は日本並み

生産者の販売乳価は日本(北海道)の1.5倍以上

小売りの牛乳の価格は日本の1.7倍以上(なんと、北海道別海町の牛乳が売られていました!価格は国産品の2倍でした)

牧場従業員の賃金は僕の知っている相場と比べて同等

といった状況でした。

 

ちなみに訪問した牧場は、2年前におよそ5億円で牛舎を新築したそうです。

 

食費面ですが、例のビッグマックレートを比較してみます。

ビッグマックの値段

台湾 350円

日本 450円

→台湾は日本の78%でした。

 

このように一部では台湾の食費は安い部分もありましたが、若い頃訪れたときと比べて安さを感じませんでした。

とにかく、僕にとっては、あの高い牛乳を、台湾国民が買っていくことに衝撃を受けました。


台北の街のキラキラぶりもすごかったですが、台湾は経済的に豊なんだろうな、と想像します。

 

その他、日本と比べて発展している部分が多くありました。

たとえば、自動車やバイクの電動化です。

電動自動車のテスラに、僕は初めて乗せてもらえました。

街では電動バイクが数多く走っていて、オートバイ用バッテリーの交換ステーションも設置されていました。

仕組みまではわかりませんが、自分のバイクのバッテリー残量が少なくなったら、ステーションにある満充電バッテリーと交換する仕組みが街角に設置されていました。
日本の自販機のようなイメージです。

 

教育面も驚くことがありました。

友人の息子さんは、公立の小学校に通っていますが、英語がペラペラでした。

ちなみに友人も、彼の奥さんも英語は全くしゃべれません。

 

小学校を見学させてもらえましたが(これも日本と違って大らか!)、英語をしゃべる外国人教師と一緒に野外で体育のようなことをやっていました。

日本では有名私立学校でやっているような英語のシャワー方式授業を公立小学校でやっていることにショックを受けました。

日本で英語をしゃべられるようになるためには海外留学や相当に根気強く英語学習をしなければいけません。それを台湾では小学校を卒業するとある程度はしゃべられるようになるのです!(友人の小学校は農村部に近い、中規模都市でした)

 

少子高齢化の問題、外国人労働力の問題は日本と同じですし、駅前には路上生活者があふれていたりと、様々な問題を台湾も抱えているようでした。

 

それらを引っくるめても、2024年はGDPで台湾が日本を抜くという予測になっていることの信憑性が街のあちこちから伝わってきました。

 

楽しい旅ではありましたが、台湾の変貌ぶりと日本の置いて行かれように複雑な胸中となった旅でもありました。

 

↓僕の携帯にも中国のミサイル(ロケット?)発射の緊急アラートが飛び込みました。北朝鮮と同じことを中国もやっているようです。台湾は今週末、総統選挙があります。