みなさん、おばんでした。
我が家はステップファミリー。
思春期真っ盛りの長男との接し方、叱り方についていつも悩みます。
母子家庭のお母さんの代表的な悩みに、父性の不在、母親が父親代わりになる難しさがあります。ですが、れっきとした父親のいる我が家のようなステップファミリーも、違った意味で父性のあり方について悩みます。
いなきゃいないで困る父親、いたらいるで迷惑な父親、私も父親が鬱陶しかったので長男の気持ちがよくわかります。父親とはなんと因果な商売なのでしょうかか。
父性に関する悩みは、まだまだ人間的に未熟な自分に課された、神様からの宿題なのでしょうね。
さて、反芻です
これまで採食の話をしてきましたが、今日は反芻のお話しです。
ウシはエサを食べていないときにも口をモグモグさせることがあります。
これが反芻です。
この冬、ゼミの卒業旅行で旭山動物園に出かけたとき、キリンがもぐもぐと反芻をしているのを見かけました。あ~、キリンも反芻動物なんだなあとしみじみ感じました。職業病ですね(^^)
牛が食べたエサは、第1番目の胃袋ルーメンの中に入りますが、そこで微生物による発酵を受けることになります。
食べられたばかりのエサ、特に牧草のようにがさがさしているエサは固く、消化しにくい状態です。(ちなみに、草はウシ自身は消化できません。草を消化するのはルーメンの中に生息する無数の微生物たちです。)
飲み込まれた一つ一つのエサの塊は、それぞれが密着し、大きな塊となってルーメンの上部に浮遊します。この大きなエサの塊をルーメンマットと呼びます。
ちなみに、ウシは長い草を食べるときでも長さ数センチにまで噛み砕いてから飲み込みます。採食中は、数センチの長さの草がおにぎり状の塊となって、ルーメンの中に次から次へと飲み込まれます。これがドンドン積み重なってルーメンマットとなります。
ルーメンマットは草の塊なので、チクチクしています。このチクチクがルーメンの背中側の粘膜を刺激します。このタワシでこすられるような刺激がきっかけとなり、オエッと牛はエサを吐き戻します。これが反芻のスタートです。吐き戻しは第2胃の強烈な収縮によって起こります。第2胃はポンプのような役割をするのですね。
吐き戻された食塊は、1分間ほど再咀嚼され、再び飲み込まれます。この間に、ある程度の長さのあった繊維がさらに細かくなります。
↓ウシは反芻を失敗することがあります。吐き戻した勢いで口から飛び出した反芻食塊です。
ウシは一日に500~600分程度反芻に費やします。
ウシは、栄養のない固く繊維だらけの牧草を何度も何度も繰り返し咀嚼することで、栄養分を最大限吸い上げる仕組みを作り出したのです。
私の後輩が反芻について日本畜産学会報に論文発表しています。泉も共著者になっています(^^)
鈴木ら(2000)
反芻の役割はただ繊維を細かくするだけではありません。
明日は、微生物による繊維の消化という面から反芻について考えてみます。