乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

自分のための仕事100%で日々ワクワク:教育と行政についての学習会に参加する

最近、卒論の関連で学生とミーティングする時間が増え始めました。我々の研究室では夏場から本格的に卒論に取りかかるケースが多いです。
短ければ秋には実験が終わり、長いものだと冬場までかかったりすることもあります。

 

ニュージーランドの牛たちと広大な放牧地

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学生だけでは卒論研究のテーマ決めやテクニック面についてとり進めることができないので、私との二人三脚で進めていきます。

今年のテーマのひとつとして、宮崎県の獣医師のA先生とコラボする計画を立てています。アイデアについて、A先生とアーだ、コーだとディスカッションするのがとても楽しいです。ビジネスでも同じでしょうが、企画を練る段階って夢が膨らんでとてもワクワクします。学生とともに、どのようにしたらおもしろい結果が得られるか打ち合わせ中です。

 

さて、今日は朝からは学生とゼミをおこない、卒論の研究テーマについて検討しました。午後は、社会科学系の学習会に参加してきました。テーマは、「過疎の恐れがある地域の子育て支援」に関するものでした。

このような分野を社会科学系の研究分野といいます。私のような実験系の人間からすると非専門分野になります。ですが、酪農をトータルで考えるときに、農村部の活性化という問題は避けて通れません。異分野のインプットも、形を変えて私の関連する分野に活かすことができます。自分の視野を広げるためにも、こういった場に積極的に参加したいと常々考えています。

 

私はこの春から、乳牛舎の責任者を降りたので、自分のための仕事に没頭できるようになりました。昨年までだと、今日のような学習会は優先順位が下位になってしまい、参加を見送ったはずです。ですが、今年は研究や幅広いインプットなど、ワクワクばかりのとても恵まれた日々を送っています。

昨年までは、会議や根回しなどの毎日だったので、精神的に疲れました。ワクワクできない案件も少なくなかったです。

 

上昇志向でポストを目指すのも大事ですし、そのことで見えてくる景色もあります。上昇志向がゼロというのは、私には考えられません。チームのメンバーのために汗をかく責任あるポストを経験したからこそ、多くの信頼を得ることもできました。

 

しかし、ポストを目指すだけだと失うものも少なくありません。
仕事において、自分の目標を常に意識し、ゴールはどこなのかを考えながら日々を過ごすことが大事なのでしょう。

教育と行政の関わり

最後に、今日の学習会で「へー」と思ったこと。

  • 道内には人口減少で悩んでいる自治体がたくさんある。そんな中、子育て支援に対してお金の支出も含めて真剣に取り組んでいる自治体では成果を上げているケースがある
  • ここでいう成果の現し方として、15歳以下人口の比率が用いられていた
  • 北海道では15歳以下人口の比率は12%程度である(2010年)
  • 芽室町では16%、東川町では14%と、平均を上回っている自治体がある。このような自治体では支援策やそれ以前の制度面の改革に取り組んでいる
  • 一方で、15歳以下人口比率が7%台の高齢化の自治体もあった
  • 多くの場合、保育所は役場、学童保育教育委員会、といったように所管がタテワリになっている
    →タテワリの良いところもあるが、一方でその弊害も少なくない

子育てと行政、お恥ずかしいですが、身近な問題としてとらえることがなかったのでとても新鮮でした。首長の管轄と、教育委員会の管轄、サービスを受ける側からすれば一本化して欲しい、と思えるような事例がありました。知ることの大切さに改めて気づきました。