乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

限界を超えた仕事量から得られる自己成長とは

おばんでした。

帯広から札幌へ向かう特急内での更新です。

 

いやあ頑張りました。
そして、燃え尽きました。

何を頑張ったかというと、若手獣医師の方たちを対象にした学習会です。休日にも関わらず45人が集まってくださりました。

今回のテーマは私の専門であるウシの第一胃(ルーメン)の機能に加えて、炭水化物とタンパク質の栄養学を講義してきました。タンパク質の分野は日進月歩で、この学習会に備えて、最新の文献を読み込みました。
相当時間を掛けましたが、その結果、今日のセミナー受講者の中で私が一番成長したことは間違いありません。

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明後日から、1週間のフランス出張です。

その準備もそこそこに、ここ最近は学習会の準備に没頭した・・・といいたいところですが、実はそれだけではありません。

 

私の予定表を見返してみましたが、この夏はつくづく頑張ったなあと思います。

8月20日、31日、9月5日に原稿の締切がありました。9月15日にも原稿の締切があり、フランス出張と重なるため、昨日書き終え、今日この後にメールで入稿します。原稿は得意分野だけとは限らず、何週間も準備が必要なものも多かったです。

 

また、9月2日の学生の学会発表と3日の私の学会受賞講演の準備。9月5日の青森北高校での出前講義に今日9日の3時間の学習会。これら、発表系の準備も、スライドを作るための情報収集に莫大な時間がかかります。

 

この間に、朝5時と夕方16時からの搾乳サンプリングや早朝の採血が何度か入り、大学業務の出張も入りました。

 

今朝の道新に、中学教員の残業実態は過労死ラインを越えているという記事が紹介されていましたが、私の勤務状況も同程度かそれ以上の1ヶ月間でした。さすがにここまで追い詰められると、最大の楽しみである妻との晩酌の時間も取れない日が続きました。趣味の庭いじりもおろそかになりがちでした。

 

ただし、くだんの新聞記事のように雑務に忙殺されての気の毒な労働と異なり、今回の激務を乗り越えたことで、1ランクも2ランクも成長できた自分が実感できています(身体は悲鳴を上げていますが・・・)。

 

大学教員の場合、上で挙げたような締切は、やろうとしなければ(引き受けようとしなければ)断ることは可能です。実際、仲間内では、忙しさを理由に引き受けなかったという話しをよく耳にします。

 

ですが、私は、可能な限り仕事はお受けすることにしています。
大学教員も、芸人家業ではありませんが、必要とされているうちが華だと考えているからです。
「頼まれごとは試されごと」という言葉がありますが、私も全く同感です。

 

フランスから戻ったら、後期の授業が始まるし、卒論の研究もますます忙しくなるので、一息付ける時がありませんが、自己成長と思って全力で駆け抜けます。

妻は「お天道様は観ている」とよく口にします。悪いことも、善い行いも、お天道様は観ていて、いつかその行いに対する結果が自分に返ってくると言います。

 

自営業と違って、どれだけ頑張っても収入には直結しないところが、大学教員のサビシイところですが、それも含めて「お天道様は観ていて」くれるでしょう(^^;)

 

車中、缶ビール1杯にカツサンドをかじりながら、勉強して成長を実感できる今の自分の幸せを噛みしめています。