今年、私たちの研究室では、企業とともに新しい飼料開発に取り組みました。
今回のテーマは、道内産の未利用の資源を飼料として使えないかというものでした。
ターゲットとしたのは、道内の農産加工場で大量に排出される未利用の資源で、通常は産業廃棄物として捨てられています。
捨てればゴミだけど、ウシが食べやすいように加工すると、立派な飼料になります。
その可能性を、学生とともに探りました。
実験の結果はとても興味深いもので、予想以上に優れた特性を持つ飼料として期待できることがわかってきました。
先日、依頼先の企業を訪れて、今年の結果報告と今後の方向性についてディスカッションしてきました。
来年は、ワンステップ上を目指して、研究を継続することが決まりました。
今年の結果だけを持って即商品化というわけではなく、さらに改良を重ねて、万全のものを造り上げたいという考えでまとまりました。
近い将来、新規の飼料として実用化する日が来るときには、みなさんにも紹介したいと思います。
今年は、昨年実施した別の企業とのコラボレーション研究についての成果を、アメリカの酪農学会誌に発表することもできました。
このように、共同で取り組んだ研究が実を結ぶことは、大変喜ばしいことです。
ですが、話を持ち込まれたすべての企画が研究へと進むわけではありません。
仮に、研究にまで発展しても、成果がパッとしないことも少なくありません。
生産現場に新しく流通する飼料の大半は、長く、厳しい選抜をくぐり抜けてきた、エリート飼料だといえます。