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新規就農者は外国人:ネパール人ビシュヌさんがタマネギ農家に

5月27日(土)付けの日本農業新聞に新しい可能性に満ちた記事が紹介されていました。

 

「34歳、はるばるネパールから就農 北海道日高町 ギリ・ビシュヌさん」

日本農業新聞 - [未来人材] 34歳、はるばるネパールから就農 北海道日高町 ギリ・ビシュヌさん 日本ブランド「売れる」なのに放棄地だらけ

 

ビシュヌさんは北海道日高町で9ヘクタールの土地でタマネギ生産を行っています。就農は2015年でした。

 

外国人の目からすると、「日本の農産物は海外でブームなのに、日本国内では耕作放棄地ばかり。もったいない」と感じられました。その思いから、自分で農産物を生産したいという思いを募らせます。その思いに、日高町のJA門別が手を差し伸べ、経営主が外国人という異例の新規就農が実現しました。

 

日本に住んでいると、ビシュヌさんのような発想にはなかなかなりませんよね。同じものを別の角度から見ることの面白さを感じます。私たちの持っている潜在力にもっと自信を持つべきだと思いました。

 

彼は、近い将来、ドバイを始め中東諸国への売り込みをかける計画とのことです。

 

日本人の発想にはなかなか思いつかない攻めの農業ビジネススタイルは、近隣の生産者に対しても大いに刺激になるでしょう。

 

受け入れた自治体からすると、雇用を生み出す経済的な意味合いに加え、移住といった観点からも、メリットとなります。

 

道内酪農だけをみても年間200戸程度が離農していきます。これまで農業分野と外国人といえば、研修生や従業員といった労働力といった側面が主でした。しかし、減り続ける農業人口に歯止めをかける効果的な手段がない現状では、外国人の新規就農についても本腰を入れて検討する時期なのかもしれません。

 

ビシュヌさんと日高町のチャレンジは、そういった意味で日本の農業事情に一石を投じる興味深い事例です。


大きく羽ばたいてもらいたいですね。

 

↓台湾ではウーロン茶で煮たゆで卵が人気です。記事とは関係ありませんが(^^;)

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