乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

映画:ズートピアと「黒白」、人間は灰色な部分があるから味わいが深まる

おばんです。

 

組織は、その組織の基本理念や利益のために一丸となって進むときに強さが発揮できる(ここでいう利益は経済的なものに限ってはいない)。


例えば、私の愛する日本ハムファイターズは昨年11.5ゲーム差を跳ね返して日本一になったが、大谷など一部を除き派手なメジャー級選手のいない、どちらかというと小ぶりな選手の多い日ハムが優勝するためにはチーム力が絶対的に必要だ。
しかし、12球団を見てみていても分かるように、個々の戦力は整っているのに勝てないチームも多い。このようなチームは、おそらくチーム(組織)としての熟成度が低いのだろう。

組織に属するメンバーが様々な方向を向いていたり、場合によっては足を引っ張り合っているのかもしれない。
そのような組織に属する場合、組織のためを思う無私の精神の持ち主ほど疲弊するのではないか。


最近、私はよく考える。

どのように人を動かせば、その人たちが気持ちよく仕事に邁進できるか。それがうまく行けば、一人でやれば1時間かかる仕事を二人でやれば二人分の仕事を40分で終わるようなチームが形作られるだろう。

 

黒白 上巻―剣客商売 番外編 新装版 (新潮文庫 い 17-17)

黒白 上巻―剣客商売 番外編 新装版 (新潮文庫 い 17-17)

 

 

映画:ズートピア
ウサギの警官が街にはびこる腐敗に迫る話し。子ども向けと思って、小さなお子さんが観ると少しつまらないかも。

 

気づきを3点
1.黒白を付けるだけでは世の中うまくいかない
 新人のウサギ警官、正義や原理原則しか知らない真面目な性格。しかし、世の中酸いも甘いも噛み分ける、清濁併せのむ、といったことが必要。池波正太郎氏のメインテーマでもある。悪人が善行もするし、良い人と思われている人に話せないことの一つや二つはある。人間、灰色部分があるから、その灰色な世界を許容することで味わい深い世の中になる、と池波作品は語る。

私はそのような人間くさい判断基準を大切にしている。しかし、世の中そういった寛容さを持ち合わせない人も多く存在する。。。

 

2.マイノリティを排除することの意味
 肉食動物と草食動物、少数派と多数派。多様性を寛容することの大切さをこの映画は唱えている。私も全くその通りと思う。数の倫理のみで物事を進めていくことが必ずしも正しいとは限らない。かといって、少数意見に偏るのも良いとは言えない。要はバランスが大事ということ。

大局的に物事をとらえられるかどうか。大きな視野で考えることができるかどうか。そのように考えることができる人とそうでない人の違いには、その人がどのような人生を歩んできたか、どのような本を読んだり、どのような人に影響を受けてきたかが現れるのではなかろうか。

 

3.物事は接する人の人間力によって異なって見える
 この映画、ぱっと見、子ども向けと思われる。しかし、私のような大人が観るのと子どもが観るのとでは、読み取れるメッセージは大きく異なるだろう。ひょっとしたら、私の気付かないテーマがさらに隠されているかもしれない。映画に限らず、本でも、人でも、その人の年代(人間力)によって感じ方が異なる。この映画はそのことを教えてくれる。