先日の北海道新聞の一面に、「ホクレン貨物船、積載力2割増 生乳需要受け2隻とも更新へ」(1/4紙面)という記事が掲載されました。
私は道外に出張した際に、スーパーマーケットなどを回って、牛乳売り場を眺めるのが好きです。品揃えや値段などをみると、牛乳の供給や流通の背景が透けて見えてくるからです。
東京など、本州のスーパーでは、ほぼ例外なく北海道産の牛乳が売られています。
この牛乳、なぜ、どのようにして都府県の小売店で売られているのでしょうか?
それには、都府県の酪農家戸数の減少が強く関係しています。
北海道産牛乳の一部は、北海道の農産物を一手に扱う指定団体ホクレンが有する、「ほくれん丸」という2隻のフェリーで運ばれています。
今回の道新記事では、船を新調し、輸送能力を高めるという内容でした。
ほくれん丸に積まれて道東の釧路から船出した牛乳は、茨城県の日立まで20時間かけて輸送されます。
2隻の「ほくれん丸」が交互に毎日往復しています。
ほくれん丸は、牛乳輸送用のトレーラーの荷台部分のみ積み込み、冷蔵状態で運搬します。
船体更新によって、1回の輸送でトレーラー213台分(生乳換算3,600トン)の輸送が可能になるそうです。
今回の輸送体制の強化は、トラック運転手の不足、災害によるJRの不通が原因の一つに挙げられますが、酪農家戸数の減少に伴う、本州の生産量減少が最も大きな要因です。
このことから、都府県への生乳供給にとって、北海道の酪農家は欠かすことのできな存在であることが分かります。
生乳不足の昨今、道内酪農生産者は大きなビジネスチャンスを迎えています。
一方で、消費者目線で考えると、今後、牛乳の値段が下がる要素は少ないように感じます。特に、道外の消費者にとっては、深刻な問題になっていくかもしれません。
我が家の子供たちも牛乳は大好きです。
安く高栄養な牛乳を好きなだけ飲ませてあげるためにも、酪農家さんにはどんどん牛乳を搾ってもらいたいです。
また、私も、牛乳生産の効率を高める飼料給与技術の研究を、これまで以上に取り組んでいきたいと思います。