乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

標茶町のクマ騒ぎに驚く

私たちの大学では、2年生が夏休み中の20日間、農家への住み込み実習に出かけます。

実習担当教員は、学生たちの様子を見たり、受入農家への挨拶のために巡回に回ります。巡回は、私の夏の恒例行事です。

 

今年の私の受け持ち地区は、道東地区でした。

中標津空港に降り立ち、レンタカーを借りて、いくつかの町村を回りました。
標茶町を回ったときのことです。

 

農家さんや、投宿した宿の女将さんと、話をしていると、クマ騒ぎの話しになりました。

なんと、今夏、標茶町内で15頭以上もの牛がクマに襲われて、そのうちの10頭がクマに食われてしまったそうです。

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現在も、その被害は続いているようで、農家さんとの会話時は被害頭数が17頭でしたが、最新の新聞を見ると20頭と増えていました。

北海道新聞(8月28日付)によると、放牧中のウシが襲われ始めたのは7月中旬からだそうです。わずか1ヵ月ちょっとで20頭のウシが襲われていることになります。「背中にクマの爪痕のような傷を追った牛も相次いで見つかっている」そうです(同紙)。

 

今年は春から、札幌の街中にもクマが現れて大騒ぎになっていますが、標茶町のウシ喰いクマ騒ぎについて、私は知りませんでした。
体格のそれほど大きくない若牛が中心にやられているということですが、それでも体重は200~400kgに達します。そのような大きなウシを襲うクマ(たち?)。想像するだけで恐ろしいです。

 

巡回では、レンタカーで酪農地帯を回りましたが、うっそうとした林の中を貫いている小道などは、いかにもクマが出そうで不気味な雰囲気でした。

 

クマとの共存は大きな課題ですが、1頭の価値が100万円近くになる乳牛を襲うようになったクマについては駆除が優先すべき課題でしょう。

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