私の趣味の一つに読書があります。
私にとっては、趣味というよりも、衣食住と同じ、生活の一部といってもよいかもしれません。
最近のドはまりは、北方謙三の「水滸伝」や、そこから派生した中国史ものや歴史物です。
その他では、宮本輝の「流転の海」シリーズの後半作品を固め読みしました。
小説の合間には、ビジネス書も読みますし、歴史ノンフィクションも好きです。
一番最近読み終えたのは、桜木紫乃の「砂上」といって、地元江別のビストロを舞台にした小説です。
ちなみに、このビストロ「エドナ」ですが、江別駅前に実在するフレンチビストロです。
この小説は、友人からもらったのですが、その友人に連れられて訪問したことがあります。料理は旨く、ワインの品揃えにもこだわりがあり、江別らしい個性派のレストランでした。
「砂上」は、母と娘とその娘の女3世代の人生を、淡々と描いた作品です。冷めた内面の女性が主人公という、桜木作品としてはお得意の設定です。
私がおもしろいと思ったのは、強気で忖度の一切ない、切れ者の女編集者でした。
モノを書く機会の多い自分としては、その編集者と同じように考えることがあったり、逆に自分が叱られているようで、読んでいてハラハラしました。
さて、前置きが長くなりました。
そんな小説読みの私ですが、村上春樹作品は、これまで敬遠してきました。
「ノルウェイの森」など、私の学生時代、バブリーな世の中で大きなブームとなりました。その協奏曲が、ファッション性重視なミーハーなブームのような気がしていました。
最近の「騎士団長殺し」の盛り上がりも、同様の空気が感じられて、どうしても手を出せずにいました。
タイトルや登場人物の名前が「文学」っぽいのも、私が敬遠する理由の一つでした。
しかし、今夏、「砂上」をくれた友人夫婦が、村上作品を読んでいることに興味を持ち、オススメ作品を教えてもらいました。
それが、つい最近読み始めた「1Q84」です。
まだ、1巻ですが、個性的な二人の主人公と、彼らを取り巻く人物がそれぞれ魅力的です。少しSFっぽいというか、ファンタジーっぽいですが、ページの先が気になる展開です。
典型的な村上ワールドと紹介されたのですが、なるほどね~と納得です。
読んでみると、ハラハラ、ワクワクする、スピーディーな展開が、多くの読者を魅了してきたことがわかるような気がします。
この歳になっても、新しい出会いがあるのですね。
本好きで良かったと思える瞬間です。
これいいよ、あれおもしろかったよ、と言われて実際に手に取るヒトはどれくらいいるでしょうか。
オススメを手に取ると、新しい出会いがありますよ。
という訳で、次は、今朝の朝刊で書評欄に紹介されていた柴田錬三郎の「眠狂四郎」を読んでみようと思っております。