乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

アウトプット並行学習のすすめ:英文教科書を読む

牛舎での卒論実験が一段落して、少し落ち着いて勉強する時間をとれるようになってきました。

 

今週はミネラルとビタミンの栄養について集中的に学びました。
週末を前に切りよく二つの分野を終えることができました。
テキストとして、アメリカで発刊された最新の酪農栄養学の教科書を読み込みました。

 

日米に限らず酪農科学は日進月歩しています。
それに合わせて技術書や教科書が刊行されます。

もちろん日本でもすぐれた教科書は発刊されています。
しかし、酪農科学の本場であるアメリカではその先を行く最新技術がてんこ盛りになった教科書が定期的に出現します。

 

そのような教科書は、各分野の大御所や新進気鋭の研究者が執筆します。載せられているデータも最新の論文からの引用が大半です。

したがって最新の教科書やそこに紹介されている論文を読み込むと、その分野についての知識を体系的に学ぶことができ、時間をかければ人に教えられるまでにレベルを高めることができます。

 

最近は、講義や講演で話をすることを意識して文献を読むようにしているので、アウトプットを並行しながら勉強するようにしています。
なぜなら、それをすると記憶の定着に効果があるのです。

 

私は紙ベースデはなくPDFファイルで文献を読むことが多いのですが、文章をただ目で追ってもすぐに内容を忘れてしまいます。

今年の夏から、PDFファイルに対してテキストメモを貼り付けたり、しおり機能を使って閲覧しやすくするなどの工夫をするようにしたところ、読んだ内容が頭に定着することに気がつきました。

 

本文へのテキストメモの貼り付けにはグーグル翻訳も活用しています。
まず、グーグル翻訳を使って原文を日本語に翻訳します。
たいていは一発できれいな日本語になりません。
おかしな日本語訳を英文と照らし合わせながら修正します。修正したものをテキストベースでPDF本文の該当箇所に貼り付けます。

 

グーグル翻訳を使うと自力で全て和訳するよりは断然早いのですが、微妙におかしな日本語なのでそのままでは使えません。おかしな部分の英文を日本語に直すひと手間が適度な脳の刺激となって記憶に定着するのだと思います。

 

PDFファイルへの書き込み、加工と不完全な翻訳ソフトを使うというのがポイントです。これまで紙ベースの論文に手書きでコメントを残していたときと比べて、アウトプット効果や閲覧の素早さなど仕事量が大幅にアップしました。

 

さて、来週は今週の学びをプレゼン資料にまとめます。
それでは、良い週末を。

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