乳牛と酪農を科学する

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乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

インド映画2本から世界史を学ぶ:「スラムドッグ$ミリオネア」&「ミルカ」

今月は帯広出張が多く、すべて特急利用でした。

片道2時間半~3時間かかり、往復では6時間です。

飛行機で東京に行くよりも時間がかかります。

 

私は列車内でPC作業をすると酔ってしまうので、細かい仕事ができません。
そこで、アマゾンプライムで映画をダウンロードして観る機会が多くなります。

 

最近みたのは偶然ですが、インド映画を2本続けてみました。
「スラムドッグ$ミリオネア」と「ミルカ」です。

 

↓フランス・トゥールーズの酪農地帯

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両方に共通しているのは、インドには貧しい境遇に置かれた人々が大勢いること。そのような人たちが生きていくためには、違法なことであってもとにかく金と得るために必死の努力をする姿が描かれていました。

 

「スラムドッグ$ミリオネア」は、みのもんたのあの懐かしい「クイズミリオネア」のインド版です。こちらは悲しく、時に見ていて苦しくなるような映画でした。これがインドの現実なのかと。

貧困の悲しさがこれでもかと描かれています。
暗い粘りのある液体の中でもがくような、そんな作品です。

 

一方、「ミルカ」はインドの世界的陸上選手ミルカ・シンという実在の人物のサクセスストーリーです。

オリンピックの陸上男子400m決勝戦、金メダル確実のミルカが後ろを振り向いてしまい、メダルを逃すという場面から話が始まります。なぜ彼は後ろを振り向いたのか。

 

映画では、ミルカという希有のスプリンターの凄まじいまでのトレーニングと数々の栄光が描かれているのですが、その陰には彼の生い立ちに関する重たいトラウマがついて回ります。

 

インドとパキスタンの歴史。
恥ずかしながら、私は印パの独立にまつわる闘争やヒンドゥー教イスラム教の対立など詳しくは知りませんでした。

パキスタンが独立する際に、インドとして一つの国であった地域の一部がパキスタン領となってしまいます。その争いの渦中で悲劇が生まれます。

国境、宗教、民族にまつわる対立は様々な悲劇を生むことがこの作品から伝わってきます。

 

と、堅く重たいテーマが根底に流れていますが、主人公のミルカがむちゃくちゃイケメンです。おまけにシャープに締まったマッチョを惜しげもなく披露してくれます。男の私でもうっとりするくらいですから、猛々しい筋肉美が好みの女性だととても楽しめるのではないでしょうか。

 

「スラムドッグ$ミリオネア」よりも、コミカルな場面も多いので、世界史を学べて、スポーツ作品としても楽しめる良品にまとまっています。

 

出張の移動時間。

読書ももちろん良いですが、タブレット端末をお持ちの方は出張のお供に映画というのも学びや気づきを得られる良い過ごし方ではないでしょうか。