乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

培養肉、食べてみたいですか?

 

我が家の年末は大忙し。

次男の誕生日が12月30日なので、何かと忙しい年末ですが、お誕生日ランチです。

近所の友達も呼んで、賑やかにランチを楽しみました。

こういったイベント時に出るのは決まってチキン。
妻が牛肉アレルギーだからです。

 

さて、そんな我が家では牛肉にあまり縁がありませんが、12月26日付の日本農業新聞でうまそうな牛肉の写真が掲載されていました。

日本の和牛農家が生産する牛肉の写真で、霜降りが入った上質の逸品です。

 

その記事にはこうあります。

「味、食感は本物?和牛で「培養肉」競合に警戒の声」

 

アメリカでは牛や豚を殺さずに、細胞だけを採取し、クリーンな環境下で培養して作る「肉」の開発が進んでいるそうです(同紙)。

 

世間では、iPS細胞を培養してヒトの臓器を再生する医療技術が話題になっています。
ですが、食肉まで培養するということを、私はイメージしたことがありませんでした。

 

記事によると、培養技術を有するアメリカの食品メーカーと日本の和牛農家がタッグを組んで、高級牛肉の培養に着手したそうです。

 

規制当局の承認が必要なため実際の販売はまだ先のようです。

一方で、国によっては抗生物質ホルモン剤の規制がゆるいところがあり、これら薬品の家畜への投与が許されています。

培養肉業界によると、培養肉はこのような薬品投与が必要ないので、安全であるという声も上がっているそうです。

 

世界の人口増加、食肉需要の増大など、培養肉の注目は増すばかりのようです。

 

たしかに牛を飼って肉を得ようとすると、牛舎と飼料畑をあわせて広大な土地が必要になります。

エサをやらなければいけない、糞を処理しなくてはいけない。

屠畜して肉を得るにも、骨、皮、内臓などを取り除くと、その歩留まりは決して高くはありません。

 

このように見ていくと、培養肉というビジネスモデルは充分に可能性があるように感じられました。

 

この話を妻にしたところ、気持ち悪いという声が返ってきました。

 

ここでしょう。

 

培養肉、たいていの人は拒否感があると思われます。
そこをクリアできるかどうかが、このビジネスの成功のカギを握っているのではないでしょうか。