乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

アメリカ酪農学会報告:物言うアメリカ人と、物言わぬ日本人

先週末から、アメリカはオハイオ州シンシナティで、酪農学会(ADSA学会)に参加してきました。

今は、ミネアポリス空港で帰路便を待っているところです。

シンシナティから国内線で、ミネアポリスに到着しましたが、パスポートコントロールも手荷物検査もありませんでした。少々驚きです)

 

シンシナティメジャーリーグのレッズのホームタウンで、街中が赤く染まっていました。
赤地に白でCのマークは、広島カープを彷彿させます。

 

私は、この学会には2度目の参加になりますが、発表は初めてです。

この日のために、共同研究者とポスターの内容についてディスカッションし、妻に付き合ってもらい予行演習を重ねました。

日本の学会だと、どうってことないことでも、言葉の壁があると、緊張度はアップします。

 

ドキドキで迎えた発表当日ですが、ポスターの前で充実したやりとりをしているうちに、持ち時間の2時間はあっという間に過ぎました。

大勢の研究者が訪問してくれ、会話のすべてをキャッチできたわけではないですが、意見交換をすることもできました。

 

訪問してくれた研究者、発表する研究者、皆に共通していることがありました。

それは、一つ質問すると、水道の蛇口を全開に開いたかのように、ドバーッと自分の意見が流れ出ることです。


相手が一方的にしゃべり続けて、数分があっという間に過ぎることも珍しくありません。

こういう場面に触れるに付け、ディベート文化の国なのだと実感します。

 

意見を言ってなんぼ
黙っているのは、存在しないのと同じ

 

アメリカ留学経験のある妻は、アメリカ人を指してこのように言います。

若い学生の発表者でも、全く譲らず、ひるみません。
アメリカには内気なヒトっていないのでしょうか。

 

日本では、学生としゃべっていても、若い同僚としゃべっていても、息子としゃべっていても、問いかけに対して明瞭な意見が戻ってこないことが多々あります。

皆の顔色を見て、同調する。
ファッションでも、議論でも、自分の考えを出さずに、皆と同じにしておけば楽チン。

質問には「わからない」と答えておけば大丈夫

 

幼い小1の次男や、その友達くらいでしょうか。
明確な自分の意見や質問を確実に期待できるのは。

 

子供は洋の東西を問わず積極性や好奇心を備えているのですが、教育や文化に触れながら成長していくと、その国独特の国民性が身についていきます。

日本では消極的な国民性が、アメリカでは積極的な国民性が。


疑問を感じたり、自分の意見を持ち、それを言葉にして相手に伝える生活がとても

大事だと、改めて気がつきました。
我が子に対してと、学生に対して、意識してもらえるように接しましょう。

 

酪農科学の技術的な内容についても、回を改めて紹介したいと思います。