乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

北海道の酪農家戸数は5,650戸

みなさまおばんでした。

今日は冷たい雨が結構な勢いで降り続いた1日でした。

しばらく焚いていなかった我が家の暖房も久しぶりに稼働中です。

 

↓南フランスのアルルで飼われている闘牛用の雄ウシ カマルグ牛

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酪農スピードニュース4月18日付によると、「平成28年度末の酪農家戸数は、前年比157戸減の5,650戸となった」と報じられました。

 

これまでは毎年200戸を超える減少ペースだったのが、ここ数年は200戸を下回っているそうです。しかし、減少速度が鈍っているからといって喜べる話ではありません。

 

何度かこのブログでも報告しているように、酪農家目線で現在の情勢を見ると乳価や育成牛販売価格の高騰によって、一時的なバブル状態になっていることは確かです。正直、今は稼ぎ時です。

このことや、地域自治体や国が打ち出している、様々な酪農家支援策が功を奏していることも離農戸数の減少に一定の効果を発揮しているでしょう。

 

私は、個人的には、酪農家支援策は必要と考えています。
酪農というのは、畑、草、ウシ、牛舎、機械・・・と、一つの経営体に様々な業務があり、それぞれに関連業界が関与します。これは酪農家があると、その地域の産業が多角的に活性化することを意味します。

 

同ニュースは「歯止めのかからない離農は、地域社会の崩壊にもつながりかねない」と警鐘を鳴らします。

高齢化や後継者不足が、離農の最大の原因です。
少しずつ現れてきてはいますが、今後は一人でも酪農経営が可能になるような支援策が求められるでしょう。

搾乳ロボットなどの機械導入、子牛やエサ作りの外部委託、酪農ヘルパーの拡充など、酪農家支援策をよりいっそう充実させることは、裏を返すとそのこと自体が地域の雇用や産業をもり立てることにつながります。

 

これまでは、私が酪農産業に対して働きかけられることといえば、学生教育を通して人材を輩出すること、技術や情報を酪農家さんに伝え生産性を上げる手助けをすることでした。
ですが、このブログを始めてからは業界外の消費者のみなさまに、「酪農」というものを伝えていけるようになりました。

これはとても幸せなことです。

どうすれば酪農の素晴らしさや大切さを世間に伝えられるか常に考えていましたので。大人も子供も含めた広い意味の食育といいますか。

 

これからも、あまり小難しく考えずに、ゆる~い話題も挟みながら継続していこうと思います。