乳牛と酪農を科学する

乳牛と酪農を科学する

乳牛の栄養や酪農システムについて大学教授がつぶやきます

猛暑の東京で、ウシと甲子園について考える

 

火曜日から休暇を取って、妻と二人で東京バカンスに行ってきました。

子供たちは、祖父母に預けて、自分たちは楽しむという、不良夫婦です(^^;)


こつこつとへそくった軍資金を元手に、おいしいものを食べ、妻に日頃の感謝のプレゼントを買ってあげました。

1年かけて貯めたへそくり、スッカラカンになりました(^^;)

 

さて、それにしても東京は暑かった。
最高気温もさることながら、夜の新宿で31度とかあり得なかったです。


アスファルトやビルなど、街全体が石窯のように保温効果を持ち、温度が下がる間がない様子でした。

 

異常な暑さは、ベトナムやタイ、台湾などで経験しますたが、東南アジア諸国特有の暑さだと思っていました。
それが日本の本州でも、日常になるとは。。。

 

以上猛暑の中、私が思ったのはまずは酪農です。

本州の牛は、大ダメージを受けているのではないでしょうか。
ホルスタインに代表される乳牛は、北ヨーロッパが原産です。

今の本州のような高温多湿には、適応力が高くありません。

暑い夏のダメージは、秋以降に影響が出てきて、本州の乳量不足となって現れるのではないかと推測します。


かたや北海道では、6月から7月にかけての長雨で牧草の凶作が決定的になりました。
エサが悪く、量も不足すると、こちらも乳量が大きく減少していまいます。

 

これまで、本州の牛乳不足に対しては、北海道からの牛乳移送量を増やすことで対応してきました。北海道酪農からみるとかき入れ時という、側面もありました。

 

しかし、今年は、南の暑熱、北の牧草凶作ですから、全国的に牛乳需給が逼迫するのではないかと危惧しています。

 

酪農家は、牛の体調管理に苦しむ1年になりそうです。

 

次に思ったのは、ガラッと変わってスポーツです。

特に甲子園。

 

私たち北国夫婦は、外を歩くなら日陰を選び、それでも限界になるとクーラーの効いた屋内に避難しました。

こんな、私たちが、野外でスポーツなんて考えられません。
それこそ、命に関わるでしょう。

 

ですが、甲子園を始め、多くのスポーツは日程消化を優先して、延期や中止といった決断はあり得ないでしょう。

 

あのすり鉢の甲子園球場で、全力で走り回る球児。

観客席も含めて日陰はほとんどありません。


多くのメディア、関係機関が関わっているので、「今年は暑いからやめます」なんていうこうとは笑止千万でしょう。

巨大なビジネスが動いていますから。

 

我が北海道勢は、勝ち負けよりも、まずはあの暑さが未体験のはず。
選手もさることながら、北国の吹奏楽部やチアリーダーといった応援団は、暑さの中で活動する経験が多くないでしょう。

彼ら、彼女らの健康も、とても心配です。

 

健康に乗り切ってもらいたいし、学校関係者には、健康優先で無理させないで欲しいです。


「我が校は、生徒の健康を優先し、暑さの中の応援は見合わせます」、なんていう勇気ある決断ができる高校には、我が子を入れたいと思います。

 

今回、異常な暑さの東京を歩き回って、気象が変動しているのですから、人間の方も発想や生き方を転換する必要があるのではないかなと感じました。