北海道新聞の、昨日(2018/03/05)の一面記事は、酪農業界に関するものでした。
「道産生乳移出増 40万トン超」という、記事です。
酪農情勢に日々触れている業界関係者にとっては常識ですが、北海道から大量の牛乳が、本州に大量に送られています。
特集では、グラフがよくまとまっており、わかりやすかったです。
記事によると、都府県の牛乳生産は、2000年代に入ってから急速に減少を続けています。
ピーク時には、北海道を除く都府県で、年間生産量で500万トンを超えていたものが、今では、350万トン程度に落ち込んでいます。
北海道は、逆に生産量が伸びており、ここしばらくは400万トン弱で推移しています。
2010年頃からは、本州と北海道の乳量が逆転して、46都府県全ての生乳生産量を合わせても、北海道の乳生産量を下回っています。
昨日、紹介しましたが、ここ10年間で、乳製品の消費量は大幅に増加しています。
しかし、道新の記事から分かるように、日本全体でみると、生乳生産量は減少を続けており、需給は逼迫しています。
都府県の飲用乳は、「北海道から補完しないと需要が満たせないのが実態」(同記事)です。
先日、北海道を暴風雪が襲いました。
このような、悪天候が直撃すると、本州へ牛乳を移送するフェリーが欠航になります。
そんな日が何日も続くと、本州の乳業メーカーでは、原料が不足して工場の操業を中止せざるを得なくなる可能性もあるそうです。
毎日のように食卓に欠かせない、牛乳・乳製品ですが、その需給は綱渡りになりつつあります。
話は変わりますが、今日の午後、来年の研究室配属の情報収集ということで、2年生の女子学生が私の部屋を訪ねてきました。
彼女は、子どもの頃から牛が大好きで、将来は酪農関係の仕事につきたいそうです。
私たちの大学には、このように酪農業界にとって、心強い学生が大勢在籍しています。
私は、学生と業界をつなぐ、やりがいのある仕事に従事していると、毎日感じています。
研究者なので当然研究も大事ですが、それも酪農業界が元気であればこその話しです。
私は、これからも酪農応援団であり続けたいと思っています。
↓冬の牛舎